英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Straight Up (2019) を見た。ジェイムズ・スウィーニーの『ストレートアップ』

いい映画。とても好き。
Well scripted.
Well acted.
Well tuned up.
タイトルがWell said.

全体的に生々しさよりもプラスチック感があるのに、とても自分ごとに感じた。
主人公のトッド君に私の友人の姿が重なったからかもしれない。

ポン・ジュノ監督がアカデミー賞受賞スピーチでクレジットして改めて注目を集めた、スコセッシ監督のステートメントが一番に思い出される。

The most personal is the most creative.

これまでいろいろな媒体で「性的マイノリティが親元に帰る」シーンを見てきたが、本作の感謝祭帰省の場面は抜群に良かった。親側の目線も共有せざるを得ない。切ない。
逆に、Love, Simonの家族受け入れシーンがいかに適当でうさんくさかったかを思い出してしまった。
ちなみに、あのアジア系のお父さんのレイシスト発言は実際にこの街でよく聞かれるやつ...。

それから、人間に無条件の愛の達成など不可能だというのが、この物語から分かったこと。
99.9% unconditionalならいけるかもしれない。でも100%は無理。
トッド君も「親は無条件に思ってくれている」とは言うけれど、同時に親からの圧を全身で内面化している。
ローリーを愛しているのも真理だけれど、彼女がパートナーに望むことを満たしていないながら結婚まで願うのはどうしたって自分のためでもある。
だからいかんというのでは当然なくて、人間同士、その弱さを認め合っていきたいと思ったことだった。

Katie Findlay、James Sweeneyの2人を初めて知った。素晴らしく真摯で体がやわらかい。
2人で床に寝転がって初めて手をつないだときのローリーの深呼吸に私まで深い安らぎを覚えた。

久しぶりの、「ダイアローグを一語一句書きとりたい」作品だった。
そして、ここにまた新しいファミリーのかたちが生まれました。

ところで、ここではコミュニティごとに視野もメディアへのアクセスも多様過ぎて、感染症のことなんか知らないままの人も多いのでは、という感じだったが、今日はついに映画館のスタッフさんがみんなブルーのゴム手袋をしていた。
だた、先日行ったリサーチスクリーニングは満員、「サーベイ用に配ったタブレットは、ちゃんとサニタイズしてますからね」と半ば冗談交じりに言われて笑いが漏れた。その程度の雰囲気である。

トレーラー。