昨年はイディッシュ語バージョンが上演されて話題になったばかりの『屋根の上のバイオリン弾き』の製作の秘密に迫るドキュメンタリー。
初演から50年以上たってもなお(むしろ今だからこそ)住む場所もエスニシティも言語も選ばずあらゆる人をひきつけてやまないのはなぜか。
とても面白かった。
特に『屋根の上のバイオリン弾き』を好きだったわけではないが、また見ようと思った。
土曜日の朝、West LAあたりに行くと、黒づくめの正装のユダヤ教徒が列をなして歩いているのをよく見かける。
夏場など特にご苦労だなあ、と思うが、この舞台であのかっこで泣いたり踊ったり笑ったりしている彼らは、「重そう」「暑そう」ながら、それゆえに魅力的。
私はずっと、なぜ日本人はこの舞台を好きなんだろう、と考えていた。
彼らは一縷の望みを抱いてニューヨークに向かった。
でも、日本人が家と家族を奪われ、神を見失ったら一体どこに希望を見出すのだろか。
日本の帝劇の映像やポスター、日本のファンの話もちょろちょろ出てくるのだけど、さんざん本場のを見せられたあとに市村正親が出てきたのを見て、彼はまあいいとして、衣装や装置や空気感がショボい、チマい...と思わざるを得なかった。
もちろん、この映画の肝は、各地でそれぞれに愛されるフィドラーの秘密なので、別ものとして成立しているのは素晴らしいのですが。
ハーヴェイ・ファイアスタインを見たのは『ミセス・ダウト』以来。
なじみのある役者さんじゃないのに、あの声と顔芸だけであの人だと分かる濃さ。
A fiddler in the pit のキエフでの演奏が聞けて楽しかった。
舞台装置にもシャガールのエッセンスが活かされていることは初めて知りました。
こちらはミュージカルの創作秘話。
トレーラー。