女子ワールドカップ選手の凱旋に湧く今、DTLAにRapinoe選手の大バナー(NIKE広告)が掲げられていてワクワクするかっこよさ。
そこで、1989年、世界一周ヨットレースに初めてオール女性クルーで挑んだチームMaidenのドキュメンタリーを見た。
リアリティショー風の現在の彼女たちのインタビューよりも、9か月間にもわたるレースの海上からの貴重映像がすべて。
嵐のサーフィン、凪の朝焼け、他チームの仲間の死。
たくさんのボートに迎えられたゴール。
でも実はどの映像よりも、チームメイトの1人が発したオーストラリア到達前の言葉のほうがはるかにまざまざとイメージを広げてくれた。
「陸のにおいがする。熱い土のにおいがする」
ノアの箱舟の水揚げを思わせます。
出航前のゴタゴタは大まかなお金の工面以外にはあまり描かれていないけれど、登山家、田部井淳子さんたちの仕事を思い出さずにはいられなかった。
準備期間が長期すぎて、関わる人も多過ぎて、そもそも山へ行くまでの苦労が並大抵ではないわけ。
しかも生活費を稼いだり家族のケアをしたり個人個人が生活をしながらですよ!
数年おきのレースにクルーが足並み揃えて参加したというだけで奇跡的な達成だと思う。
ところで、現在もはつらつと美しい「現在のチームメイト」たちのリユニオン場面がなかったのは意図してのことでしょうが、「仲悪いんだろうか」、「誰かがヤダと言って揉めたんだろうか」とかちょっと穿った考えが浮かんでしまいました。
スキッパー、トレイシー・エドワーズのメモワール。
トレーラー。