英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

ドキュメンタリー UNDERCOVER ASIA: LONELY DEATHS を見た。

友人が教えてくれた伊藤詩織氏プロデュースのドキュメンタリー UNDERCOVER ASIA: LONELY DEATHS にものすごく心揺さぶられたのでメモしておく。
多分、今週は随分SNSなどで知る機会を得た人が多いのではないかと思う。(私はSNSとYahoo Japanの閲覧を1年前に止めたので推測です)

フリーウェイで事故現場に行き当たると恐ろしいのに目を奪われてしまうように、ふすまにへばりついた髪からも、体液の染み込んだ畳からも、「はだしのゲン」を思い出させるウジ虫からも目をそらすことができない。

孤独死、ってむしろどんな死よりも大騒ぎ。
人は死ぬときは1人、なんて言うけれど、海の藻屑になったり、チョモランマで失踪したりしない限り、人の手をわずらわせずに死んで消えることはできないのだ。

リポートで取り上げられた2人の仏さんは、人とは付き合いたくない、あるいは人に迷惑はかけたくない、と思って生きてきたんだろう。
ところが死後には人に看取られて死んだ人よりもよほど「知らない人に迷惑をかけた」わけで、実に皮肉だ。

せめて教会に来たらよかったのにな。

私は人間だから人間を裁くことはできないし、すべきじゃないけれど、「数年前から電気も水も止められていた」のを知っていたのに何もしなかったマンションの隣人たちに悲しみを覚えずにはいられない。

それから、社会システムとして、どんなに滞納されても水だけは、できれば電気も止めちゃダメだよね。
少なくともロサンゼルスでは人道上、防災上の観点から水道は止まらないことになっています。
そのくらいの余裕は日本国にはあるはずです。

それから、豊かなはずの日本の住居の貧しさ、雑然ぶりにはため息が出た。
壁うす。天井ひく。廊下せま。
「窓あけて作業したら?」という英語のコメントがあった。
私も窓を開けていないことに気づいたけど「隣近所にご迷惑だもんね」とすぐに分かったよ。日本に住んだ経験あるから。

仏さん2人の住居だけでなく清掃業の女性の家と、仏さんの隣人の家もモノでごっちゃごちゃのカオス(亡くなったトレーダーの方の部屋はむしろ一番きれいだった)。
あれでカメラを受け入れているわけだから、ヤバイという自覚はないわけでしょう。
もっと家をオープンにして風通しよく生活したらどうだろう。
(使徒行伝2章が参考になります)

非常にプロな清掃業者さん、肉体労働だし精神的にもクルだろうけど、ご自身の心身をご家族を一番大事に、記録されていたような丁寧なお仕事を続けてほしい。
お寺と同じで、少子化の世の中、稀少な有望株だよね...