英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Ben Is Back を見た。ピーター × ルーカス・ヘッジズ 『ベン・イズ・バック』

今日の「放蕩息子の帰還」。

本作のルーカス君の場合は帰ってきてからがまた一苦労だったけど、墓へ連れて行かれ、最後には息を吹き込まれて命を取り戻すところまで一貫して聖書的なメタファーに満ちていた。
Benは旧約聖書が書かれたヘブル語で「息子」を意味します。
それも生物学的のみならず、あるコミュニティに属する者、といった広い意味の息子で、とてもヘブル語、アラム語文化的ニュアンスの豊かな言葉だと思います。

ジュリアの言葉がすべて私に対する神の言葉に思えて。
ちなみに、彼をとどめようとする母に対してBenがしきりに"I'm not worth it"と口答えしますが、神さまからしてみればそれはちょー傲慢です。
神さまがアンタはうちの子や、ウチのものはみーんなアンタのもの、みーんな引き継がせたいんや、そのためにジーザス犠牲にした、と言ってくれてるのに「俺そんなんと違う」と言うのは、ジーザスの死に対する侮辱です。
安心して神のもとに帰り、ぬくぬく、そして大胆に生きようではありませんか。

イブ礼拝のベンの涙は私の涙でした。

あなたがたのうちに、百匹の羊を持っている者がいたとする。その一匹がいなくなったら、九十九匹を野原に残しておいて、いなくなった一匹を見つけるまでは捜し歩かないであろうか。そして見つけたら、喜んで自分の肩に乗せ、家に帰ってきて友人や隣り人を呼び集め、「わたしと一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから」と言うであろう。 (ルカ15:4-6)

ところで、ベンの家、なんか寒そうなんですよ。照明のせいかな。

ベン君の中の人のお父さん、ピーター・ヘッジズ監督と言えば、私にとっては今でも珠玉のダイアローグが詰まった『ギルバート・グレイプ』(25年前!)の脚本家。
とつとつと仕事を紡いで来られていますね。
長く書き続けてほしい。

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