英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。映画、英語、栄華。

映画 Thank You for Your Service を見た。『アメリカン・ソルジャー』 inspired by『帰還兵はなぜ自殺するのか』

以前読んで感銘を受けたデビッド・フィンケルのノンフィクションに材を得た作品。
原作ではメンタルケア先進国のアメリカでも、必要な時に必要なケアを提供し切れていない実態にため息が出たが、映画でもそのあたりが描かれている。
丁寧な脚本でとても良かったと思う。

古い話だが、メグ・ライアンの『戦火の勇気 Courage Under Fire』のモンフリーズ軍曹の自殺シーンが何度も思い浮かんだ。
本作の帰還兵たち、みんな次の瞬間には、あの彼のウガーっと死の淵に突っ込んで行くシーンにつながってゆきそうだった。
実際1人は早いうちにそうなってしまったが…。

トラウマって治らないんだって。一生付き合っていくしかないんだって。
帰還兵に限らず、そのストレス、絶望は想像を絶する。

先日のベガスのマスシューティングでケガもなく助かった女性が、帰宅して1週間後に眠ったまま亡くなった。
尼崎列車事故に居合わせた人が、数年たった後に起こった列車事故の報道に動揺して自ら命を絶った。

現場で助かれば終わりではない。
ホームも戦場なのだ。

一時期日本でも原作が大きく取り上げられていたようだが、まだまだ日本会議政権が続きそうな中、日本は自衛隊員の自殺率の高さを覆い隠すべきでないし、もっと真剣にこのアメリカの実態から学ぶべきだ。

つまり、やっぱりこれまでどおり、日本から派兵はしないこと。
あまりにコストが合わなさ過ぎる。

今日、ドイツ語の勉強会で、ポルトガル生まれイタリア育ちおっさんと、韓国系アメリカ人女性と、何語ができるかという話をしていた。
私の第一言語は日本語だというと、二人は大変に興奮して、日本語は本当にうつくしい、日本は尊敬に値する国だ、などとワーワー言ってきて、なんだこの絵に描いたような日本礼賛番組みたいな展開は!と面食らった。

それなのに、日本は日本文化を残そう、日本語を守ろう、と真剣に考えなかった。
フランスみたいに、文化を守る、つまり国語話者の保持に投資するという決断をしなかった。
少子化と向き合わなかった。もう手遅れは確定している。

国防だ!と戦争始めたとたんに、むしろ滅亡が早まるだけ。
たとえそれがAI戦であっても。とにかく人材いないんだから。
「現実問題、年寄りばっかで戦争とかムリだし」でいいじゃない。
いいじゃん、アメリカ従属で。あるいは、アジアでまとまって中国に守ってもらうのもいい。
人類滅亡の日まで、借金してでもお金だけは出すチキンのままで逃げ切りでいいじゃないですか。

日本ではDVDスルーです。

原作。

トレーラー。