イシグロ氏が今年受賞したのはBrexitの影響だろうなー。
彼は一貫して熱心な残留支持なので。自身の来し方をベースに主張されているのでとても説得力がある。
ついでに、彼は、戦後の日本が侵略者であったことを忘れ、南京大虐殺を忘れ、システマチックな健忘症であり続けてきたことも指摘している。
Kazuo Ishiguro: My Own Private Japan
ところで、木曜の朝、NPRのレポーターが「オメデトゴザイマース、アメリカでは知られていませんが…」と言っていた。
確かに「オメデト…」の出だしからして、彼を知らない感満載である。
そもそも、ノーベル賞というものが日本ほど認知されていなかったりする。
五輪と同じで、やたら盛り上がるのは日本だけ、かもしれない。
実際、イシグロ、ノーベル文学賞がどのくらい知られていないか。
今日書店に行ったら、全く取り上げられていなかった。
3店舗のみの中堅チェーンだが、書店員さんの手書きポップがあったり、ベスト10棚があったり、それなりにやる気のある書店である。
なのに、平積みコーナーにないどころか、フィクションの「I」の棚にThe Buried Giantが2冊、背ざしされてただけで探すのに苦労したがな。
商魂皆無!意識低い系!
いやこれ、ニューヨークだとまた違うとは思うのですが。
とはいえ、私もたまたま英語学に関心があっていくつかの接点があったために知ってただけ。
- 誰が買ってきたのか、なぜか実家にNever let me goがあった。
- 斎藤先生の『英語達人塾』が異常にイシグロ押しだった。
- 『英語のたくらみ、フランス語のたわむれ』でもイシグロ氏が引き合いに。
- 『100万回生きたねこ』のシニカルな佐野洋子氏が『日の名残り』の品格に感心したと書いていたのを読んだ。
- ICUの友人がイシグロで論文を書いていた。
あべちん首相がわざわざ祝福コメント出してたけど… 彼も知らなかったかもね... あまり読書してなさそうというか、ナンなら本キライそうだし... せめて読んだことあったら、感想も盛り込んだよね。そこウソつかないのは正しいけどね。