英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

ボケ老人の言葉には真実と力がある、そして Close-knit『彼らが本気で編むときは、』

注意: この投稿では「医学的・政治的に正しい」言葉は使っていません。

日系人の90歳のおばあさん(自分を「あたくし」と呼ぶような方)に、「あなたの顔、よう肥えてるわね。でもやせ細ってるよりずっといいわよ」と言われた。
何度も会っている人なのだがボケているので、彼女から見て私は初対面と言ってよいだろう。

薄々?思っていたことを指摘され、私は軽く衝撃を受けた。
戦前から目線とはいえ、同時にアメリカ人目線でもあり、ポッチャリ印象があることは確定なので...

何の福音か、それ以来、あまり炭水化物をほしいと思わなくなった。
運動は相変わらず少ないが、重ね食い、夜食をやめたら、2週間で5キロ落ちた。
といっても、私の場合1度のBBQで3キロ増えたりするので、浮動重量というか、誤差の範囲であり、見た目は全く変わっていないと思う。

そしてまたおばあさんに会った。再びの「初対面」である。
彼女はニコニコと私を見つめて言った。
「あなた、綺麗な顔をしているわね」

なんというか、泣けてきた。
その言葉の意味を超えて、その時もっていた悩みがすべて吹き飛んだように感じた。

逆にこれが愚痴やののしりだったら最悪度も増すし、歯止めなく口から出してしまうなんて...ボケたくないわ...

映画『彼らが本気で編むときは、』に、リンコの手を握った老人が、
「とても心のきれいな人の手です」とつぶやくシーンがある。
この言葉が胸を打つのは、そこまでのボケ老人伏線によって、彼の言葉が真実だと分かるからだ。

荻上直子監督は口数の少ない作品を撮る人という印象だったこともあり、
「こんなに分かりやすい構成でいいの?」と何度か。
小池栄子ポジションとか、病院での無理解とかね。
リンコのような存在が言語化されたのが最近すぎて、まだまだ説明が必要だということかな。

別れの朝のベランダで、こいのぼりを見つけてハイ〜ンと微笑む生田斗真がよかった。