英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

信仰告白の力 『ゼロ・グラビティ』『タイタニック』から

映画『ゼロ・グラビティ』でマット(クルーニー)が ライアン(ブロック)に「このままではふたりとも死んでしまう。Let me go!」と、自分のリリースを促し、宇宙の彼方に消えていくシーンを見て、『タイタニック』の別れの場面を思い出した人は多いだろう。

絶体絶命に陥ったカップル、男の犠牲によって女が助かる、という筋が2つのシーンに共通しているのだが、その際、犠牲になる側が救われる側に「宣言させている」ところに注目。

『タイタニック』のジャックは、「君はぬくぬくオフトゥンで家族に囲まれて最期を迎えるのだ」と力説してイメージトレーニングを授け、「生き抜け、絶対あきらめないと誓ってくれ」と嘆願、ローズは"Never let it go"と約束する。
『ゼロ・グラビティ』でもまた、通信が途絶える間際までマットはライアンを励まし続ける。
そして、「いいか、君はやりとげるんだ。さあ、言ってくれ、やりとげると」と願ったマットにライアンは、"I'll make it"と応えるのだ。

マットとジャックは、ともかく相手に「言って」ほしかった。言葉を聞きたがった。
なぜなら、口に出したことは現実になるから。
彼らは彼女たち自らの口で誓わせたことで、そのサバイバルを確信して安らかに去ることができたのだ。

だれでも、この山に向かって、「動いて、海にはいれ」と言って心の中で疑わず、ただ自分の行ったとおりになると信じるなら、そのとおりになります。(マルコ11:23)

そしてまた、Jesusも私たちに「生きよ」と言って地獄に落ちて行かれた。
だから私は口に出して宣言する。「生きます」と。