佐野眞一著の孫正義伝『あんぽん』を読んでいて理解できない部分があった。
孫はしばしば、日本の情報革命がアメリカに比べて決定的に遅れているのは、日本人が過去にとらわれすぎているからだ、日本人が新しいものを取り入れるのに抵抗があるのは、アメリカ人が持つ知恵との時差がありすぎるからだ、と語っている。
時差というのは、孫の経営手法を解くキーワードとなっている。日米間の経済ギャップとタイムラグを利用すれば、必ず人より先んじられる。
私は孫が「タイムマシーン経営」と呼ぶそんな持論を聞くたび、過去を向こうに押しやり、つまり歴史観を欠如させ、先人たちから何も学ぼうとしない孫の危うさを感じた。
「過去にとらわれるな」というメッセージが、「先人たちから何も学ぼうとしない」ととられるわけ??
孫は「新30年ビジョン発表会」で、今後の情報革命にふれ、30年後に紙の新聞なんてほぼ100パーセントありえない、紙の雑誌、書籍もほぼ100パーセントありえない、と言い切った。
私のインタビューでもその持論を繰り返し、1人の人間の一生涯に読む情報量が1円以下のメモリーチップに入る時代は、あと15年か20年すれば確実にやってくる、と断言した。
私はそれを聞きながら、あなたが言う「情報」というのは、記者なり作家なりが、汗水を垂らして一つ一つ集めたものだよ、それをそんなにあっけらかんと言っていいの、他者に対するそのリスペクトのなさが、あなたをいかがわしい人間に見せていることにあなたはもう少し自覚的になった方がいいよ、と胸の中でつぶやいた。
佐野眞一『あんぽん』
何を偉そうに胸の中でつぶやいているんだか、彼は「紙媒体はなくなる」と言っている -> 情報、他者への敬意がない
???
「英語にできない」系の意味の通らない文章です。
アンチ電子書籍の人は、こういう非論理的なことをよく言う。
誤字を見つけたときと同じくらい読書気分盛り下がる。
心配しなくても、紙の本はなくならないと思いますけどね。
って、ほぼ電子書籍しか買わなくなった&かつては2紙とっていた新聞購読もとうにやめ、電子版サブスクのみの私が言うのも何だけど、「私は紙の本でないとイヤ」と言っている友人もいるし、どんなに短いメールもプリントアウトしないと読んだ気がしないというおじさんもいるので。