英語あそびなら天使の街

在L.A.言語オタ記。神さまのことば、天から目線の映画鑑賞日記。

映画 Clementine (2019) を家で見た。『クレメンティーン』

東京では何の理由づけもなしに6/1に映画館が開くらしいが、LAはまだまだ...。
みちみちに座らなければ話もしないし問題ないと思うけど、感染者の座った椅子に時間をおいて腰掛けた人が感染したこともあるので。

先日、初めて直接の知り合いが呼吸困難になって入院した。幸い退院間近だが、セレブから知人の知人、知人、友人...とだんだん現実が狭まってくるというのは本当だ。

というわけで再び、特定の映画館の収益になるプラットフォームで鑑賞。
https://clementine.vhx.tv/products/

悪くない避暑映画かなーと思って眺めていたら、転の部分から急に説明調になった。
途中で脚本家が交代したのかと思うほど、バランスがとれていない。

主演2人も目をひかない。
が、ラナだけでなくカレンも、カットによってものすごく年老いて見えたり幼く見えたりするのは興味深い。
「若すぎる」「もうトシ」の応酬も終始一貫したテーマなだけに。

あんなところでステイホームできたらいいだろうな。
コロナの時代は、葉っぱを回して吸うこともできなくなるね。

私の避暑映画ナンバーワン。作品としては駄作だが、ジョディ・フォスターが切ないから。
ただ、80年代映画特有の「そのシーンになるとボーカルが流れ始める」特徴について例外ではないので注意。

君がいた夏(字幕版)

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  • マーク・ハーモン
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トレーラー。

映画 Driveways (2019) を家で見た。ブライアン・デネヒーにSalute『ドライブウェイズ』

折り目正しい文法でさらりと書かれた掌編。訥々と話す誰かと向き合うような、良い時間を過ごせた。

亡き姉のゴミ屋敷を片付けにきた母子とおとなりの退役軍人の邂逅。
先月亡くなったブライアン・デネヒーが見る者に静かに別れを告げる。
(ところで、米国でも日本でも、この2か月ほど高齢著名人の訃報が多すぎる。いろいろな面で新コロが遠因になっているのではないかと思わざるを得ない)

Driveway と言えば、その訳語をどうするかが、昔からアメリカ文芸翻訳界隈の目玉トピックである。
この作品では、その driveway"s" のニュアンスが視覚的にも情感的にもたっぷり。
Drivewaysを越えて電力を貸すなんてとても素敵なメタファー。ゴミっ溜めにランプが灯る喜び。
やはり、少なくとも日本語一語では到底置き換えられない概念なのだ。

それから、住宅街のポーチの気持ちよさもね。日本でもオープンな縁側があれば似たような体験ができるけど、今や希少だと思う。
時節柄、集まることはできないが、昨日は、この映画のようにポーチに家の人が腰かけて、不自然に離れた外に立っている隣人と井戸端会議をしているのを見た。

コミュニティのビンゴは私もお年寄りのお供で何度か行ったことがある。
ほとんどの人にとっては単なる昼間の行き場、社交の場だけど、会場によっては「貧乏人のギャンブル場」になっている。
ダウバー(ビンゴ用のドットマーカー)を握りしめ、複数のシートからいかに素早く数字を見つけ出すかに命をかけているのだ(速読の訓練にもそんなのがあったから、頭や目の体操としては悪くないかもしれない)。驚いたのは、シートを束で持ち帰って、数字カードをめくりながら自主トレする人がいること...。

今回のように、お年寄りと子どもがチームを組むのはとてもいいアイデア。
広い家に1人で心細い高齢者と、金は乏しいが車だしなどの手助けができる若者の同居をマッチングさせるサービスがあるが、それが機能した理想郷の一形態がビンゴのチームアップの場面で見えた。

コーディみたいに、人の話を聞くのがうまい U-10 は実在する。やはりじーばーと暮らしたことがある子、あるいは家がお店の子が多い気がする。
「僕は宗教は好きじゃない」のくだりはとても良かった。
ところどころ、母親から学んでいるんだな、とうかがわせる言葉やしぐさがあるのもほほえましい。

お母さんの副業が transcriber なのはリアルだ。
納品の形態にもよるけれど、あんなふうに一から手で起こす人はもういないのではないだろうか。それとも MTPE みたいに機械起こしの編集はむしろ面倒という面もあるのかな。
翻訳と同じで、AIにとって代わられてなくなるよ、と20年前から言われ続けつつ、結局まだ最後の砦が残っている仕事。
今思えば、昔の「テープ起こし」なんかすべてマシンで作業できる今よりはるかに大変だったのに、うっかりバイトを引き受けると時給100円に満たなかったものである。

本作は全編「マンガ」推し。
コーディたちと地元の子たちとの付き合いはマンガで始まり、マンガで新たなステージを迎えるのであった。

今回もまた、地元映画館を支援できるプラットフォームで配信鑑賞。
https://drivewaysfilm.vhx.tv/products/

日本でもミニシアター支援の配信プラットフォームが立ち上がっているというので、「仮設の映画館」を見に行ってみた。
見たい作品がない & 日本国内のみの配信だったりして結局買っていないのだが、やっぱり1800円がデフォってたっかいよね...。
http://www.temporary-cinema.jp/

トレーラー。

映画 Spaceship Earth (2020) を家で見た。バイオスフィア2 is 『スペースシップ・アース 宇宙船地球号』

まさにこの2020年春に多方面の示唆に富みまくる、ニューエイジの顛末を追うドキュメンタリー。
再び、地元の映画館に投げ銭が入る配信プラットフォームで見る。

このプロジェクトのことはうっすらとしか知らなかったので、概要を追えただけでも興味深かったが、いくつか面白いと思った点。

  • 発起人のジョン・アレンとヒッピーな仲間たちが、演劇を活動の基盤としていたこと。ストリートプレイの稽古みたいなシーンもあり、なるほどこういうプラクティスをして突飛なことを想起するのだな、と。
  • 地球上でエコシステムの密室実験を行うハードルの高さ。自然光しかない、誕生日ケーキを作るにも砂糖がないから工夫しないと〜と言いながら電気をバンバン使い、コンピュータや脱穀機はフル活用するという一貫性のなさ。外にはミッションコントロールも控えている。宇宙に投げ込まれるほうが、ある意味しっかり実験できるだろう。サスティナビリティが見えない。アーミッシュ生活したほうが早くね?と思ってしまう。
  • おどろきの酸素力。スフィア内では安定させられなかった酸素を供給されて「力がみなぎるようだ!」とハイになるバイオスフィリアンたち。
  • ケガをした1人が途中退場して病院に行き、帰りにコンピュータのパーツなどを運び入れたことをきっかけに、実験の妥当性に対する不信感が高まる。実は飛行機に乗っていた猿岩石のようだ...(古)。リアリティショーなんてそんなものよ。
  • いきなり出てくるバノン。あのバノン。彼をダシにして資本家 vs. エコにまとめた最後は少々強引だったと思います。

バイオスフィリアンの紹介で、an ethnically diverse group というナレーションが入り、聞き間違いかと思い、巻き戻して二度見した。

トレーラー。

最近のバイオスフィア2。

あえてこの今、天の倉が全開。(シリーズ献金 その17)

州の外出禁止令が出てから1か月半、ごくごく限定的だけれども、今週末から本屋さんなどの小売店が再開されるという。

この期間に米国の失業率は戦後最悪に。
が、当社比で言えば、今ほど天の倉が開いたときはなかった。

背景として、3月に連邦から請求された税金がギョッとするほど高額で、耳をそろえて納税できたことに感謝しつつも、余裕しゃくしゃく感がなくなり、ちょっとビビッていた。
感染症を理由にキャンセルになった仕事は今のところないのだが、仕事柄、数か月遅れて「くる」なーという予感があった。

そこでイエスの御名で祈った。
「収入ゼロの10分の1はゼロですよ...。献金できなくなるのはマジ困ります。マタイ6章等を根拠に、私を絶対に養ってくれるのは知ってますけど、なんとかしてね」

すると、4月頭に、「この機会にフロントエンドを整えたい」、「スローなうちにデータベースを整理したい」という奇特なお客さまが現われた。
しかも、1社は「あなたも生活があるでしょうから」と、前金どころか、着手前に全額お支払いくださったのだ。

どうせ家からも出られないので、ひたすらその仕事に取組み、その結果(ドラムロールプリーズ)大学卒業以来、過去最高月収を達成してしまった。うちでは1年ほど生活できる金額である。

お金の安心以上に、あえてこの機会に奇跡を起こしてくださったことで、ステイホーム期間中、はっきりと神さまの臨在を知ることができたのは心強かった。マシンに腰掛けておられるんですよ、いつも。

大きなものを任された者の責任は大きいので、神さまにright wayを伺いながら、ジャンジャン使っていきたい。今後も安心なわけじゃないから、と必要以上に貯め込んだら腐るだけ。

主が命じられるのはこうである、「あなたがたは、おのおのその食べるところに従ってそれを集め、あなたがたの人数に従って、ひとり1オメルずつ、おのおのその天幕におるもののためにそれを取りなさい」と。イスラエルの人々はそのようにして、ある者は多く、ある者は少なく集めた。しかし、オメルでそれを計ってみると、多く集めた者にも余らず、少なく集めた者にも不足しなかった。おのおのその食べるところに従って集めていた。モーセは彼らに言った、「だれも朝までそれを残しておいてはならない」。
しかし彼らはモーセに聞き従わないで、ある者は朝までそれを残しておいたが、虫がついて臭くなった。
(出エジプト記16:16-20)

1タラントを渡された者も進み出て言った、「ご主人様、わたしはあなたが、まかない所から刈り、散らさない所から集める酷な人であることを承知していました。そこで恐ろしさのあまり、行って、あなたのタラントを地の中に隠しておきました。ごらんください。ここにあなたのお金がございます」。すると、主人は彼に答えて言った、「悪い怠惰な僕よ、あなたはわたしが、まかない所から刈り、散らさない所から集めることを知っているのか。それなら、わたしの金を銀行に預けておくべきであった。そうしたら、わたしは帰ってきて、利子と一緒にわたしの金を返してもらえたであろうに。さあ、そのタラントをこの者から取りあげて、10タラントを持っている者にやりなさい。おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」(マタイ25:24-30)

献金は言わずもがなだが、早速2か所に寄付し、「これ買ってくれたら閉店中のサポートになるよ」とアピールしている地元のお店からガンガン購入している。何より、サロン系が再開した暁には、閉店期間中にメッセージをくれた美容師さんに、これまで頼んだことのないカラーリングやトリートメントなど全部盛りでオーダーしたい。暑くなってきたし、バッサリ切っていただきたい。楽しみだ。

それから、この今、働ける恵みにあずかっているのだから、引き続き納税もたくさんしないとね。まだ達成できていないけれど、他人様の分も担えるほどの額を。
新卒の就職活動時、ある企業で「なんで就職したいの?」と聞かれ、「ちゃんと税金を納めたいから」と答えた。大学まで親がかりだったことにコンプレックスがあり、何とか本当の意味で自立したい、と願っていたのはウソではなかったけれど、そんなイキった救われる前の「祈り」もずーっと確かに叶えられているのだなあ、と改めて。

ビギナー向け10分の1献金ガイド。ご利益宗教化している、という批判もあるものの、聖書のチャレンジに応じるとっかかりとして実用的。

映画 Saint Frances (2019) を家で見た。アレックス・トンプソン監督『セイント・フランシス』

ユニークでチャーミングな生理映画。よかった。

映画館が閉鎖した週に見ようと思っていた作品。配信を購入すれば、特定の映画館をサポートできるというので、家で見た。
配信購入ページはこちら。地域制限がないとよいのですが。
https://saintfrances.vhx.tv/products

物語の触媒になる他人親とのあつれきエピソード2つは少々陳腐だが、嫌味になるほどではない。
でもこの国で、公園での授乳を注意する人なんているかなぁ...。
個人的には、カバーはしていただきたいけれど。
なぜなら、残念ながらニヤニヤしながらガン見したりする輩がいるから。
どんな形であれ、そしてご本人が平気と言われたとしても、「女性」が消費されるのは悔しいので。
同じ意味で、子育て中の女性に「母乳?」と聞く人も無理。たとえその人も親だったとしても絶対に聞いてほしくない。

フラニーが最後に向かうキンダーガーデンのドアが子どもには重めのやつで、とてもリアルだった。
昔、私は自分でキンダーガーデンのドアを開けられなくて、いつも送ってくれた親に開けてもらっていた。
一度など、開けてもらったはずのドアが閉まってしまい、玄関でひっくり返って大泣きし、先生に「救助」された。
私は、親たちの乗った車が締め出された自分に気づかず走り去る非情なイメージを思い出しては涙が止まらなくなり、ずいぶん長い時間、揺り椅子の上で先生にだっこしてもらっていた。

しかし、子どもの成長は驚異的である。
1年もたたないうちに同じことが起こったとき、私は建物の外をぐるりと回り、学童の側のドアから入った。学童では朝食を配っていたので、先生に「ヨーグルトとアップルソースとどっちがいい?」と聞かれた。そのとき私はろくに英語が話せなかったが、「キンダーガーデン、キンダーガーデン」と言うと、「キンダーガーデンに行きたいのね?」と分かってもらい(たぶん)、キンダーまで廊下を走って行った。とりあえず外で誘拐されなくてよかった、学童が開いていてよかった、と今は思う。

そんな絵も重なって、ブリジットの「子離れ」の涙が分厚く胸に迫るのであった。

それから、産後うつの描写が怖すぎた。聖母マリアの使えなさには呆れた。だめじゃん、カトリック。

トレーラー。